やられてばっかじゃ俺様のプライドに傷がつく。
なんとしてもあのバカを笑い者にしてやんなきゃ気がすまねぇ。
マヌケなことにアイツ、携帯忘れていきやがったしな。
曲はHonkyTonkでテレビ見たときから決めてあったから問題ない。
ダウンロードサイトに行って、お目当ての曲をダウンロードする。
金かかっちまったが、そんなのは俺様の知ったこっちゃねぇ。
――が。
「…あ?」
設定しようと着メロの一覧を見てみると、何故か曲のタイトルに『2』ってついてやがった。
まさかと思って下にスクロールしてみたら……。
「…クソオオォ!!」
「うわっ!どうしたの蛮ちゃん!!」
「なんでアイツ……もうダウンロードしてやがんだよ……!!」
「えっ、何を?」
「『ラムのラブソング』……。」
「へっ?」
「最近紅茶のCMでやってんだろ!」
「えーっと……。」
「『うる星やつら』の!!」
「…ああ!『あんまりソワソワしないで 私が誰よりいちばん』ってやつだね!!」
…いい年した男が歌うなよ、銀次……。(そりゃCMでもか…。)
「……まさか蛮ちゃん、いい年して着メロラムちゃんにするの?!」
テメェにだけは言われたかねェ。
「アホ!紘季のに決まってんだろ!!」
「あだっ!そっ、そうだよね…。」
「大体俺様のだったらお前が先にダウンロードしたことになんだろ!」
「ええっ!オレ蛮ちゃんに怒られるからやんないよ!」
「だから、紘季のだっつってんだろ!!」
「じゃ、じゃあもう紘季の携帯にはラムちゃんの歌入ってたってこと?」
「………そういやアイツ、なんでダウンロードしてんだ……?」
「誰かに仕掛けようと思ってたのかな…?」
結局、その日のうちに結論が出ることはなかった。
04.05.06up
Back