「ただいまー。」
「おかえりなのだー!」
林間学校も無事(ではなかったが)終わり、家に帰ってきて数分後。
玄関に向かうとお袋がにこやかに笑いながら角をはやしていた。
「母上殿、今日の晩ご飯は何なのだ?」
「今夜はカレーよ、ガッシュちゃん。」
そう言いながらオレと朱都を台所へと引っ張っていく。
「さあ、今日は清麿と朱都ちゃんが作るわよー。」
「何!?」
「えー。」
「ウヌウ?!」
オレは驚いて朱都は不満の色を露にして、ガッシュは震え出した。(そんなに酷かったのか。)
「はい、しつもーん。」
朱都が軽く手を挙げる。
「何かしら?」
「なんで私が清麿なんかとカレーを作らないといけないの?」
『なんか』ってなんだ、『なんか』って。
「さっき夕飯のお買い物をしに商店街に行ったときに清麿達といっしょの学年の子が言ってたのよ。2人が殺人的なカレーを作ったって!」
「でも私は一切手を貸してな…。」
言いかけた朱都の口を慌てて塞ぐ。
いっそここは巻き添えにしてしまえ!(昨日は半分はコイツが囃し立てた所為でもあるしな!)
「ウヌゥ…とっても辛かったのだ。」
しまった、ガッシュの口も塞ぐべきだった…!
「お、お袋、これには深いワケが…。」
「そう、天才少年高嶺清麿君(確か13)は天才であるが故に天才的なカレーを1人で!作らなきゃ…。」
力が弱くなっていたオレの手を引き剥がして言おうとしたとこをまた塞ぎ直す。
「これから1人暮らしだってするかもしれないのに料理が出来ないなんてダメじゃない!特に朱都ちゃんはお嫁に行くんだからちゃんと作れるようにならないと!」
「えー、でも私結婚する気ないし…いざとなったら白柚兄なり紫昏兄なり清麿なりのとこに転がり込むから多分平気…。」
オレは作れないぞ。(その前に上げられた名前が全部男っていうのはどうなんだ。)


うちにある林間学校の続編で考えてますがこれだけでも成り立つようにするつもりです。

2004年8月中


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