花月が時雨の後をつけ始め数分、時雨の携帯に着信が入った。
普段と比べ少々時間はかかったが、時雨が携帯を取り出す。
「…はい」
『いったい何を』
ピッ
いつものごとく時雨は秒速以上の速さで通話を切った。
電源を落としている間にもう1つの携帯にもかかってきたが、そっちもディスプレイをちらっと見ただけで出ることなく電源を落とした。
「…これといって変わったとこはないですよね…」
後姿しか見ていなかったので、時雨がディスプレイを見た時にうっすら笑みを浮かべていたことには気づかなかった。
一方、時雨(鏡)と音信不通となり、その凡そ1時間後に笑師に目撃された後の鏡(時雨)は。
「(…あれ、鏡?)」
新宿駅西口付近、某電荷店前で紘季に目撃されていた。しかし。
「(時雨さんになんかプレゼントすんのかな?)」
と考えたために後をつけることはなかった。
後日それを聞いた時雨は「流石鏡氏…」と思わずにはいられなかったという。
時雨サイドの空白の1時間は無限城を降りるために費やした時間かと思われます。まだ続く
2004年12月中
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