「古新聞?あるけど…組み合わせが相当意外だね……」
「そうですか?」
「そうでしょう…」
私の住んでるマンションの管理人である霧生さんが私達を交互に見比べて言う。
1階の管理人室に私と赤屍さんが古新聞求めてやってきたなんて滅多にない光景だろう。(私は強制連行だけど)
「窓拭きにでも使うの?」
正直な話、このメンツで窓拭きという可能性は最もありえないと思う。
「いえ、時雨さんの髪を切るのですよ」
「あ、それだったらちょっと待っててくれない?」
カウンター横のドアから霧生さんが出て、エレベーターの方へ向かう。
そしてチャイムの音。ドアを開ける音。男性2人の話し声。ドアの閉まる音。ガチャガチャという金属音。
「そこの部屋にショウさんって人が住んでるんだけど、その人が美容師なんだ。今は彼の弟しかいなかったけどいろいろ貸してくれたよ」
霧生さんが美容院で見かけるようなはさみとか髪をとめる道具が入ったプラスチックのケースを差し出してくれる。
「時雨ちゃんヘアスタイルとか全然気にしてないからこういうの持ってないんじゃないかな」
それに関しては否定する点がちっともないのは事実であるけれど。
霧生さん、そんな余計なことしなくたって…!
「これは助かりますね。切れ味のいいはさみがなかったらメスで代用しようと考えてたので」
………それもイヤだな…。
よかったのかよくなかったのか、判断にとてつもなく困ってしまうこととなった。


髪で遊ぶのは次になりそう。下手するとカットですが。(またか!)
blogにてショウさんちょっと出てます。繋がってゆく世界。もう1つはGBでした。
サブタイトル『ありがた迷惑』。霧生さんいい人です。普通に。(ただそれが裏目に)

2004年12月中


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