「いやー楽しかった!!」
そりゃアンタは。
オレの部屋に荷物をどさっと(置くというよりは)落として伸びをする白柚さん。
「ねえ、朱都が好きな清麿君!」
!!?
「あーでも今3人で悩んでるね。密かにモテ男君だ」
なんだそれは。ではなくて!
「どっ、どうしてオレが3人でどうだとかなんて……」
「それくらいわかるよ。自覚の有無はちょっとはっきりしないけど。朱都もわかってんじゃない?」
「朱都が?」
「今清麿君が真っ赤なのが何よりの証拠」
だからってわざわざ鏡を出してまで説明しなくても。
でも朱都はずっと同じ家でほとんど兄弟同然で暮らしていたからそういう感情は持ちにくいのであって…第一男顔で(でも最近は少し女っぽい顔になってきたようにも思う…)女々しい部分がちっともなくて、胸もそんなになくて、細いけど(あれはよく本の運び出しをしているからだろうが)男子の制服が違和感無くて…本好きで人生本ありゃ苦はないさで………。
「あがいても変わることはないよ。しかも本好き関係ないし水戸黄門だし」
完全に読まれている?!
「ちょっと名残惜しいけどまぁ頑張れ少年!」
どこまでが本気なんだこの人は!!(それと何が名残惜しいんだ!)
「でもそういう意味で1番怖いのは紫昏だよ。普段穏和な人間ほどストレス溜めてキレた時何するかわかんないから。なんだかんだでシスコンの気があるしね、紫昏は」
そう言われてもオレにはわからん。朱都曰く「白柚兄の方がインパクトあるから紫昏兄が普通すぎて目立たなくて普通に忘れてて、白柚兄は変人だから記憶を葬ってそのせいで両方覚えてない」らしい。(それとオレは白柚さんの方がシスコンのようにも思う)
「うわ、紫昏可哀想…」
いろいろと考えたいこともあったが、全て読まれてしまうのでいっそ相手にしないことにした。


そうなのか、紫昏兄。流石四条一家。
なんか変だ、清麿が。1日目は次か次の次かこれで終わる。きっと。

2004年12月中


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