イギリスはバーリントン・ガーデンズ・サヴィル街。時刻は午前十一時二十分の少し前。その通りを黒いコートに鍔の広い黒の帽子を被った人物が歩いていた。
すれ違う人々はその見慣れない人物に驚き、極力近付かぬように通り過ぎていった。
一方、その人物は何一つ気にすることなく道を進んでいたが、不意に大きな家の前で立ち止まった。
「…変わる、わけがありませんか」
小さく呟き、その家のインターホンに指をのばした。

バーリントン・ガーデンズ・サヴィル街、午前十一時二十分。家の中では綺麗な男顔の人物が大きな欠伸をした。
「…部屋に戻ったら?」
「寝入っちゃいそうなので」
「…確かに」
「確実に目を覚ますのは軽く6時間後になりそうですから」
場所は玄関前の階段。下から数段目に少年に見える少女は座り込んでいた。


短い。もう少し長くしようと思ったけど出来ずじまい。これが本格的に動き出すのはいつなんだろう…。

2004年12月中


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