「一等室が一部屋しか空いてないそうですよ、時雨さん」
「…これからの季節客が減っていく筈なのに珍しい…」
新聞を広げていた時雨が溜息をつきながらそれを畳んだ。
「寝台車は諦めるか――」
「2人で1部屋という手もありますよ?」
「二等室に1人で入っている部屋がないか、聞いてきますか」
何も聞かなかったかのように赤屍の言葉をスルーした時雨は新聞を赤屍に渡し受付へと歩いていく。
二言三言かわしただけで時雨は戻ってきて預けていた新聞を受け取り鞄に入れた。
「そういう部屋が二部屋あるそうです」
「それは残念ですね…」
「どこがですか」
当初時雨はそのどちらかが相部屋になってもいいならば性別をあわせて同じ部屋にすればいいと考えていた。
しかしその両者に見ず知らずの人間と過ごすのは遠慮したいと拒否されてしまい、一等室の券と引き換えることでようやく話はまとまった。
「私は上のベッドにしますから」
「構いませんが、理由でもあるのですか?」
「自分の心の内にでも問いただしてみたらどうですか」
「随分と信用されてないようですねぇ」
「自業自得ですよ」
これもまたこの部分だけ思いついた。原作知らないとわからない部分がいくつかあるな…。
次で殺人事件が発生してたら時代を間違えてます。(オリエント急行殺人事件…)
2005年1月中
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