「清麿、次って歴史?」
「ああ、そうだな」
「歴史かー…」
教科書を出して溜息をつく朱都。気持ちはよくわかる。
「そういえばさ、前に初恋の人の問題あったじゃん?」
「あったな」
「あれさ、下に初恋はともかく、彼女いない歴は生まれてから絶賛更新中!って書いたら当たってたみたいで他の問題は全部合ってたのに合計で0点だった」
当たってたのか。
「その前にあのテストは無効だろ…」
「うん、だからよかったよ」
朱都がそう言った後、チャイムが鳴り響いた。
教室のあちこちに散らばっていたクラスメイトが席に戻って机の上に教科書とノートを出す。(ちなみに朱都はノートを取らない)
だが、遠山先生はまだこない。
「遅いな…」
「とうとう謹慎とか?」
「可能性はゼロではないよな…」
そんなことを話しているうちに教室のドアがピシャッ!と開いた。
「はいはーい、授業始めるから静かにねー」
遠山先生の声じゃない。そもそも口調が違う。そして、その声は今朝確かに聞いた。
「白柚さん?!」
「あれ、白柚兄?」
「やあお2人さん!」
歴史の教科書を持って教室に入ってきたのは白柚さんだった。
「ちなみに助手もいたりする」
「あ、ガッシュとウマゴン」
「なんでお前らがいるんだー!」
「ウヌゥ、白柚殿に頼まれたのだ!」
「メルメルメー!」
「俺は校長に掛け合って今日だけ教師やることにした!」
「白柚兄は言わなくても予想つくから」
朱都の言葉にオレは深く頷いた。
「まあとりあえず自己紹介を。四条白柚、普段はヨーロッパ諸国で日本語教えてるから外人の知り合いがいたらひょっとすると俺のこと知ってるかもねー」
「四条先生、朱都ちゃんとは兄妹なんですか?」
水野が手を挙げて白柚さんに質問する。
「そう、10歳差の兄妹!さーて、授業に入るから号令よろしくー」


遠山先生は彼女いなさそうだと思った。朱都の席は清麿の前です。気になる(?)授業内容は次回!

2005年2月中


back