蛮が自らの推理を披露してから20分。時雨(鏡)は当てもなく裏新宿を彷徨っていた。
そろそろ何か仕掛けようかな…。
そう思って軽く周囲を見回すと、絶好の獲物を見つけた。
「弥勒さん…ですか?」
「えっ、もしかして時雨?」
鏡が見つけたのは弥勒の後姿で、振り返ったのは奇羅々だった。真っ先に思ったのはなんでよりによって女ということだった。
ちなみに、耳からは蛮達の騒ぐ声が聞こえるが、それは徹底無視することにした。
「どうしたのよそれ!とうとう赤屍に犯されちゃったの?」
みんな考えることは同じなんだなぁと思う鏡だった。
「いえ、今日は朝ちょっと時間がなくて」
「服のサイズが違うだけで全然違うじゃない」
「そうですか?」
「やっぱり時雨も女なんだって雰囲気よ」
「そんなに違いますかね」
「だっていつもより胸があるってわかるじゃない」
「…まあ、それはそうでしょうね…」
ちょっと失敗だったかと感じつつ、内側ではトンデモナイことになっているであろうことを予測したらうまくいってるのだろうと心のうちで微笑む鏡だった。
時間稼ぎその1。奇羅々ストレートだ…弥勒は全般的に変になってそうな気がした。
情けないのだけどまだまだ続きます…あと4回くらい。(そんなに?!)
2005年3月中
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