「…あんた達、そんな事も思いつかなかったの?」
蛮・銀次・花月の驚き様を見て、卑弥呼は呆れた声をあげた。
「…というより、ワザと気づかなかったというかなんというか…」
「訊くならクソ屍くらいだろ?なんだってわざわざアレに電話しなきゃならねぇんだよ!」
「そもそもジャッカルだったらもし何もなくてもそれらしい事を言うに決まってますよ」
「あっ……それもそうよね」
花月の言葉にはっとする卑弥呼。
「うーん…じゃあ鏡さんとか?」
「彼の場合ジャッカルと同じか乗ってくるかのどちらかでしょうね…」
「卑弥呼ちゃん、鏡さんの携帯の番号知ってる?」
「昨日番号変えてかかってきたけど、すぐ履歴から消したわ」
よほど嫌われているようだ。
「やはり時雨さんを尾行し続けるしかないですかね…」
「オイ待て。紘季がいるだろ」
ここで一瞬の間ができた。
「あっ、そうだった!」
「すっかり忘れてたわ…」
「言われたらすぐに思い出すのですが…」
「…まあ、そういう仕様だから仕方ないっちゃァ仕方ないがな…絃巻き、携帯貸せ」
「また止められたんですか?」
「いいから貸せ!」
「僕も紘季の番号くらいは知ってるんで僕がかけますよ」
花月が携帯を取り出し操作する。
「今日はどんな着メロなんだろうね〜紘季」
「…ヤツに訊いてみたらどうだ?」
「やあ、紘季」
『カヅっちゃん?どしたの?』
「ちょっと訊きたい事があってね。紘季は今日時雨さんに会ったかい?」
『時雨さん?今日は会ってないよー。……今レナちゃんが言ってたけど、時雨さん今日はバイト休みだって』
「レナちゃん?今HonkyTonkにいるのかな、紘季」
「雑音が酷いですからおそらく外ですよ」
「ひょっとするとデート中だったか?そりゃ悪ィことしちまったな!」
蛮の下品な笑いに、その場の3人は声が出ない。
『えっ、そっち蛮がいるの?!そうじゃなくって買出し中のレナちゃんとたまたま会ったんだって言っといてよ!』
「わかったよ。じゃあ、時雨さんに何か関係してそうな出来事はなかったかい?」
『えーっとねー…あ、鏡が電器屋さんに入っていくのは見たよ。この場合卑弥呼さんよりは時雨さん関連でしょ?』
「卑弥呼さん、最近家電製品で故障したりしたものがありますか?」
「ないわよ、そんなの」
「それはどれくらい前のことか覚えてるかな」
『どれくらいだろ?オレが駅らへんうろついてたころだけど』
「それでわかったら楽だってんだよ…」
『あと、蔵人が時雨さんに会いに行ったっぽい。昼間は特に予定は入ってないと思ったし』
「そうか…ありがとう、紘季」
『うん、また今度…あっ、ちょっと待ってて!!』
「えっ、何かあった……切られましたね」
「待っててなのに切んのかよ、あのアホは」
「何かあったんじゃないかな。もう少し待ってようよ」
「まあ、これでクソ屍となんかあるとしたらこれからってことはわかったしな」
「あたしはもう行くわよ。あんた達みたいにヒマじゃないんだから」
「絃巻きの方がヒマ人だろ。毎日のように時雨のとこに行ってんだからよ」
「それはヒマなのではなく習慣ですよ!」


なおのことよくねぇよ、絃巻きさん。どうにも台詞ばかりです。どうにかなってくれ。というか楓藤としては三人称だから入れ込みにくい…。
そのうち『風鳥院花月のカレイな日常(仮)』を書こうと思います。カタカナ変換の場合何かしら含みがあるうちのサイト。(ステキも同様に)
どっかで2つ書きたいところ。いい加減長いよね…秋になるまでにはなんとか…!

2005年5月中


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