「兄貴、今日も学校にくるの?」
「いや、今日はガッシュ君と遊ぼうかなーって」
そう言いながら清麿君を見てみると、安心した顔をしていたけど俺の目線に気づくとすぐに表情を隠した。そんなことしなくても俺にはバレバレなのにねー。
「でも明日か明後日は行くかもしれないね」
ああ、うかない顔してる。でも決して嫌ってわけじゃあないみたいだからよかったね。
「白柚殿、今日はどこへ行くのだ?!」
「そうだねー、今日はガッシュ君がいつも遊ぶとこに行こうか」
「わかったのだ!」
「よかったわねー、ガッシュちゃん」
「ウヌゥ、今日はたくさん遊ぶのだ!」
ガッシュ君はご飯をかきこんでバタバタと2階へ上がっていった。
「…白柚さん、気をつけた方がいいですよ」
「え?」
「あ、そうだね」
「何、どういうこと?」
感情や心は読めても記憶は読めないんだからそこで思い出して感情や心に出してきなさい、キミ達。朱都はわかってるが故に難しいから特に清麿君。まさかキミも習得してしまったというのか、そうか…紫昏もできてないっていうのに。流石に頭いいし朱都と長いこと暮らしてるだけあるねー。
「まあでも白柚兄だったら大丈夫でしょ」
「大丈夫なのか?」
「ノリでなんとか」
ならないよきっとノリでは。それ以外じゃわからないけど。
「白柚殿ー!早く遊びに行くのだー!」
「清麿と朱都ちゃんも、学校遅れちゃうわよ」
「もうそんな時間か」
「行こう、清麿」
「ああ、じゃあ行ってくる」
「いってらっしゃい」
「あっ、ちょっと、さっきのどういうこと?」
「行ってきまーす」
………。
…冷たくなったなぁ、朱都…。昔からこうだったような気もしなくはないけど。「大きくなったら白柚兄のお嫁さんになる!」なんて絶対言わないような子だったけど。むしろ男勝りだったけど。
「早く行くのだー白柚殿!」
「あー、ちょっと待っててね。なんだかんだで食べ終わってもいないから」
その1時間後、俺は地獄の電車ごっこの餌食になりました。こーいうことね…。


白柚兄視点。なかなか楽しいぞ、白柚兄視点。そんなわけで清麿と朱都はちょっとお休み。ちらちら出てくる可能性はありますが。

2005年5月中


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