「…清麿、外!」
授業中、窓の外をぼーっと眺めていた朱都が声をあげた。まずその前に授業に集中しろ。
それでもまさか魔物かと思い、外を見ると。
校門の前の道を何かが物凄いスピードで通っていった。
「……」
「なんだ?あれは」
「砂埃が凄いぞ!」
「大きいのと小さいのがあったわ!」
「えっ、何だったの?」
「宇宙人だ!」
正体がわからないクラスのヤツらはざわざわとどよめいている。
「…あれ、白柚兄とガッシュだよね…」
「おそらくな…」
「………」
「……」
気づいたら、オレ達は窓の外に向かって手を合わせていた。

「白柚殿、気分はどうなのだ?」
「もうちょっと待ってね、ガッシュ君…」
お兄さんちょっと胃にきてるから。流石に食後はまずかった。
欲を言えば、植物園じゃなくて風のあたる場所がよかったかな…。
「大丈夫ですか?」
「ううん、なんとか…」
植物園のお姉さん(つくしさんというらしい)が水の入ったコップを渡してくれる。俺は一気に水を飲み干してコップを返す。こっちは冷たくて気持ちよかった。
「嬉しいんだろうけど、もうちょっとペース落としてくれないとちょっときついかなー」
「白柚さんは…」
「ガッシュ君の家の居候娘の方の兄弟です」
清麿君の兄弟だとあまりにも似てないでしょ、俺は。
「すみません、最初女性かと…」
「全然大丈夫ですよ」
遥か昔からそうだったからもう気にしなーい。いちいち気にしてたらやってらんなーい。
「ガッシュ君ってよくここに来るんですか?」
「春頃に種を植えてから割合定期的に来てますよ」
そしてつくしさんはその代わり清麿君は来なくなったと言った。
「えーっと、それは…」
「春くらいまで不登校でたまにここに来てたんですよ、清麿。それに朱都もついてきてて」
「何しちゃってんの朱都」
清麿君もだけど学校はちゃんと行かなきゃダメでしょうに!世の中には学校に行けない子供達だっているんだから!
「ガッシュが来てからですよ。ちゃんと学校に行くようになったのは」
「へえ……」
池の方で遊んでるガッシュ君を見て俺は感心してしまった。
「ガッシュ君、だいぶよくなってきたよ」
「おお!よかったのだ!!」
そしてしばらく植物園で過ごした後、俺は引きずられて公園へと向かうことになる。もう勘弁して…。


学校サイド。微妙に岩島が出てる。白柚兄サイド。まさかつくしさんを書く日がくるとは思ってもいなかった…ナオミちゃんはいつか出そうと思ってたけど。相手が白柚兄だったから苦労はしなかったけど。そしてまだまだ終わりそうにない…。

2005年6月中


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