ハッピーエンドを希望します

ダイニングルームのテーブルには既に朝食と新聞が置かれていた。まだ朝6時を回ってない。私はいつも母に感謝してばかりだ。
八つ折だった新聞を1回開いて1面見出しを上にしてテーブルに置き、読みながら朝食を片付けていく。
上半分を読みきったところで下半分を読もうとひっくり返そうとして、初めて手紙があることに気づいた。
「手紙も着てたのか」
「あらまあ、気づかなかったの?」
「気づいてほしかったら新聞の上に置くべきだよ…」
最初に開いたときは立っていた上に新聞が死角になっていたために気づかなかったようだ。
封を破って便箋を取り出す。右手で便箋を持って読みながら、左手でクロワッサンを口に運びたまに紅茶を流し込む。
「………バカだろ」
差出人を見た時点ではちょっと心配もしたけど、これじゃきっと自業自得だ。半分くらいは。
「そんなにおもしろい内容だったの?」
母は小説家という職業柄か常に使えそうなネタを捜し求めている。
「さっぱり正反対だよ」
私は母に手紙を渡して残った朝食を胃に詰め込んだ。
「………ちょっと、これ」
「いつも注意しろって言ってたのにね」
少し残っているが、私は席を立った。
「……言うことはそれじゃないでしょう?」
「今日から元お騒がせ求職者からお騒がせカップルに転身だよ」
母が席を立つ。私は片手で制してから母の手にあった手紙とテーブルの上の新聞を取る。
「途中で何があろうと、やっぱり最後はハッピーエンドが1番だと思うからね。私は」
しばらく帰れないかもしれないと付け加えて、私は身支度のために自分の部屋へと戻っていった。


ネタバレなのでこれが誰なのかは2005年8月26日の日記から察して下さい。解禁後に手直しします。
とにかく、「バカだろ」と言わせたかったんだ。罵りたかったんだ。(2005.09)


結局脱字修正しかしませんでした。もっと言うと抜けてはいなかったけど多かった。(拍手にする直前の修正の時に見落としたようです…)
たったあれだけの一言のためにこうも発展して、挙句別のとこに出す猫被った変態まで引っ張り出してそっちも楽しくなってきたと言う、スタンにとっては災難でしかない6巻ネタの一群。(ついでにこの後考えた4巻ネタもまた災難でしかない)引き金は本人だからそう見ると自業自得でもあるけど(4巻も)、魔法省の不手際も入ってくるとやっぱり災難だったのか。
うん、まあ、やられ役ということで。うちの人々はそれなりに危機回避能力を持ってるからこうはならないし。(2006.07)

2005年9月中
2006年7月中(改稿して再掲載)


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