ヘビーユーザーの憂鬱

「以上が彼についての話です。それでもやりますか?」
目の前の男の口調は淡々としていた。あまりにさらさらと話が進んでいったが、よくよく考えると内容は恐ろしいものだった。今の私が感じているものなど比べ物にならないくらいに。
「処方するのは未完成だったものではないのですが、これだけは過去彼しか服用したことがないので個人差も十分に考えられます。他の物でもやはり個人差は見受けられるので」
「……その『製作者』の方は今も服用してるんですか?」
「先程も申し上げたとおり、最初の物は効果は不完全で期限はありませんでした。それに対処するために今は効果は完全ですが期限はあるものを服用してます。二度とああなるのは嫌なようですね」
「また新しく作ったりはしないんですか?」
「失敗以降確実さを求めるようになったので、切れないように服用してるようです」
「…そんなに凄かったんですか?」
「そのようです」
「なんとかならないんですか」
「クレーマーですか」
「だって嫌でしょ」
「…混合してるようですが、現在の物ならそうなる可能性は限りなくゼロに近いですよ」
一貫して表情が読めない男の言葉に、私は何かを見つけた気がした。


向こうのサイトの『黄昏時』に属するもの。としか出せない…そもそもこれを持ってくるのもどうなんだろう。(じゃあやめとけよ…)
重要な部分を隠してなのでノリだけで。これが入ったものが出るのは当分先になりそうですが。

2005年11月中


back