きっと最初って大事なんだと思う
「…なんだあれ」
その日、朝一の仕事の帰りに寝間着のままずるずる引きずられる坂田を見かけたのが始まりだった。
あの引きずってる人はアレだったか。ここの四天王のナントか西郷だったか。気に障ることでも言ったか。なら自業自得か。
あんなヤローを気にしてる余裕はない。現在進行形で睡魔は襲ってくるし、春燈に何かあったらあの女に幾度となく殺される。
何事もなく2人を追い越してそれで終わるはずだった。
「止まれそこの原チャリ男ォォォ!!」
俺が乗ってるのは原付じゃないんだが、辺りに原付どころか二輪車に乗った男はいない。となると俺と考えるのが普通だ。
なんか轢いちまったかと思ってブレーキをかけながらミラーを覗いてみると。
坂田を引きずってたナントカ西郷さんが物凄いスピードで走ってきた。
もちろん俺はブレーキかけるのを止めてスピードを上げた。
「止まれっつってんだろーがそこの原チャリ乗った白衣ィィィ!!」
「これは原付じゃねーし俺の名前は白衣じゃねェェ!」
形相が凄い。根拠はないけど振り返ったら最後なんじゃないかと思った。眠気は飛んでいったが早く帰らないとあの女に殺される。でも理由があるから犯されるで済むのか……どっちにしろ嬉しくねェ!
更に速度を上げたいがスピード違反で免停になったらほとんどの仕事がキャンセルになるからそれは出来ない。
「受け止めろ薬剤師ィィィ!!」
ミラーを見るとこっちに飛んでくる坂田の姿。
「俺は薬剤師じゃねェェ!」
減速して蹴り落しておいた。が、この時スピードを落としたのが間違いだった。
次に飛んできたのは加速したナントカ西郷の拳だった。
勢いで足で受けてしまった俺はバイクもろとも地面に倒されることになった。足が痛いがそれ以上にバイクが心配だ。
「アンタ、私のことを化け物って言ったんだそうじゃない」
「え、俺知らね「惚けんじゃねェェ!そこの白髪頭が言ってたんだよ!!」
「いやだから知らねって」
問答無用で腹も痛くなりました。
白衣のポケットの試験管が割れ、中の薬が強力除草剤だったのもその一因。
後の事を考えたらあまりに皮肉な中身だった。
今月の拍手がとてもじゃないけど(いろいろな意味で)哀しくなってきたので書きかけを出してきました。あれだけは哀しすぎる。(自分が)
結局これが銀魂初公開か…区切れの部分までなので実は続けることも可能なんだけど、多分それはしない。
しかもよく見たら名前が出てないじゃんこれ。紅月矢城さん26歳職業製薬師。GBの白雪姫パロに名前だけ出てたあの人です。やっと日の目を見れたのかこの人。(ネタ帳にちらっと書いたりはしたけど)
銀魂の場合何かをしたいというより世界観を楽しみたいというのが大きいから普通にあんなこともします。
2006年6月中
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