猫の様な俊敏性で

「なんか気になる記事でもあったのかい?」
「!」
「大体その枚数ならスポーツ欄だろう?私が見てる限りじゃ全く捲ってないよ」
「…よく見てんな、おめぇ」
「新聞を捲る音もないしね」
「クィディッチ興味ねぇんだろ?」
「ないね」
「だよなぁ…」
「新聞の写真でしか見たことないね」
「一度も見に行ってねぇのか!」
「2年になってからは学校ほとんど行ってないし」
「授業もか!」
「プレイヤーの転落死が直接観客の圧死に繋がるなんてどうかしてるよ。ああ、あと」
気づいたらそこにあったはずの紙はなく。
「視線も動いてないよ」
やはりメイビーがその紙を持っていた。
「顔まで隠そうとするから余計にバレバレだよ。…ワールドカップのチケット、しかもペアか。これ」
やはり興味は限り無く薄いようで、すぐに手元に返される。
「頼む、メイビー!」
「靴舐めるのならいいよ」
「嫌に決まってんだろ!!」
「冗談だよ」
「偶に冗談になってねぇのわかってっか!?」
「確信犯だからね。別にやってもいいけど多分引くよ」
「しねぇよ!!」
「冗談はさて置き」
玉砕覚悟必須。
「私が見に行くなんてもちろん、嫌だよ。何が楽しくてそんな場所行かなきゃならないのさ」
最後の1人の反応は彼の予想通りだった。予想通り過ぎて涙が出るんじゃないかという位だった。


そして4巻ネタへ続く。お題薄いな…中身が先行してたから無理矢理。
人の顔見て生きてきた人だから断片でもすぐわかる。そうでなくてもわかりやすそうな気がするけど。
靴はやはりネウロから。別にやって悪いことはないけど引きますよ間違いなくメイビーは。抵抗して強行しないからバランスが取れている。

2006年9月中


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