けれどだがしかしそれでも

「けれど。或る人はこう言った。『世に不思議は多けれど(中略)ヒトが関わらなければ ただのゲンショウ ただ過ぎていくだけのコトガラ(中略)ヒトこそ この世で最も摩訶不思議なイキモノ』と。by壱原侑子」
「或る人になってないですよ」
「ちなみに手っ取り早く見たければ小説版が最適だ!」
宣伝か。
「詳しい事はよくわからないが、『この団の人間は人間じゃない』なんて思いに駆られたんじゃないのか少年!」
それは…確かにそうだ。
「そう思いたくなる気持ちはわからなくもない。SOS団の人間はお前とは違うタイプばかりだ。だが、それは大きな誤算だ。俺は宇宙人や未来人、超能力者幽霊妖怪異世界人ではないし悪の組織やそれらの対抗組織の人間でもない。そういう特殊な能書きは一切持っていない人間だ」
「そ、そうですよね」
俺は安心……
「峰岸澄は、ただの変人だ」
「は?」
しかけたところで不意を突かれた。
「特技は声帯模写、ある種変人のステータスは持ち合わせている」
「…ああ、そういう意味でですか」
確かに、最初は驚かされたし多少慣れてきたとはいえ油断は出来ない。
「しかし、1番近いのを挙げるとしたら異世界人だな」
「マジっすか!?」
「完全に、ではないがな」
中途半端な異世界人ですかそれって。
「まあ、それはどうでもいいことだ」
どうでもいいのかそれ。
「今重要なのは『何か特殊な能書きは持っているか』だ。持っているか持っていないかで判断するなら俺は持っていない」
「委員長の理論だとそうなりますね」
「だから、この場でわかりやすく言うなら普通の人間代表変な人だ」
返ってわかりにくい気がしなくもない。
「峰岸澄は、ただの変人だ!」
怒鳴らなくても。
「はっはっはっはっは!!」
いや笑われても。
「ちなみに尊敬する人は榎木津礼次郎だ!」
すみません俺にはわかりません。
「それでも、受け取る人間の受け取り方次第で誰でも奇人変人になれるのだ!肝心なのは少年自身がどう受け取るかだ!」
「委員長の言ってることはつまり、委員長は自分が変人だと思っているから委員長の中では変人で、万が一に委員長がハルヒはなんでもないただの凡人だと思ったら委員長の中ではなんでもないただの凡人でしかない事になるってことですか」
「そのとうりだッ!」
つまり、俺の中でも委員長は紛れもない変人だということか。


アニメ見たら3話で思い至った。恐るべし涼宮ハルヒ。最近の傾向もあるけど男主人公。委員長はあだ名であってキョンとハルヒのクラスの委員長ではない。ついでに委員会の委員長でもない。あ、読みはミネギシワタルです。
声帯模写をまず思いついて、そこから武装錬金の六枡を思い至ったけど、どちらかというと戯言の哀川さんに近くなっちゃった気がする感じ。プラス榎木津。ラジオドラマの雰囲気で笑わせたらこうなった。なので尊敬させてみた。ていうか声帯模写って文章だとあまり目立たない。
変人というか、自分の中では「あれ、なんかずれてね?ちょっとおかしくね?」っていう人ばっかり書いてたから「これが変人だ!」という人は返って難しい気がする。感覚がずれてるだけ?とりあえずうちじゃ少ない「動」のタイプのような。(他にメフィとか紘季とか。「静」は時雨とかマーク(仮)とかいろいろ)
タイトルはいい訳する人をイメージしてお題にしたけどこういう形になった。ちゃんと1回ずつ順番に使ってますよ。

2007年2月中


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